失敗は本当に成功の母なのか？失敗を通して成長できていますか？

あ〜あ、今日も仕事で失敗して遅なってもうたわ。。。

チュー吉

モグラビト

お疲れ様〜大変だったね。
いつもと同じような仕事だったと思うけど何を失敗したの？

簡単な作業ミスですよ。。。
全然時間が足りなくて急いでやったらヤラカしまして汗　でも大丈夫、「失敗は成功の母」って言うじゃないっすか？次は絶対うまくいきますって！

チュー吉

モグラビト

ん〜そんなこと言って前も同じようなミスをして、顛末書を書かされてなかったっけ？ところで、失敗を通じて成長する組織とそのまま失敗し続ける組織との違いについての調査の話があるんだ。チュー吉くんの会社はどっちだろうね。。。

ん、ちょっと気になりますねwもう少し詳しく聞かせてもらって良いですか？

チュー吉

モグラビト

この調査は、英『タイムズ』紙の第一級コラムニストであるマシューサイドさんの著書『失敗の科学』で紹介されていたんだ。この著者は元々卓球選手でね。全英チャンピオンに４度、オリンピックに２度出場経験がある実力者なんだけど、自身が現役時代に経験した失敗を通して、成長する人（組織）成長しない人（組織）の差について論じた本なんだ。

リンク

失敗を経験して成長する組織・しない組織
成長する組織・しない組織の差は？
経験を積んでいても成長できない職業？

失敗を経験して成長する組織・しない組織（調査内容）

医療業界と航空業界における死亡率に関し、アメリカで調査が行われました。１年間の死亡率にどれほどの差があると思いますか？

医療業界では毎年100万人が回避可能な医療過誤による健康被害を受け、12万人が死亡しています。
航空業界では240万フライトを行う度に1回の割合でしか事故を起こしていません。

モグラビト

具体的なイメージを挙げると、「9.11事件」が医療業界では2か月に1度発生、といったレベルの差なんだよ。アメリカ以外の国でも調査したみたいだけど、大体同じような結果だったみたいだね。

うわ。。。
あまり聞かん話やから気にしやんかったけど凄い事実やなぁ。

チュー吉

モグラビト

更にすごいのが、これが「個人」の結果じゃなくて「組織」の結果ってこと。つまり「失敗した後の仕組みづくり」で成長できるかどうかが変わるんだよ。

失敗を経験して成長する組織・しない組織の差

2つの業界（組織）の「差」を引き続き調査したところ、失敗をオープンにして全体で話し合い、組織全体で解決する手段を検討するかどうか（フィードバック）という点で差が見られました。

航空業界では新たな課題が毎週のように生じるため「不測の事態はいつでも起こり得る」という認識があり、失敗から学ぶ努力を惜しみません。また、事故原因を究明するために、強い権限を持つ独立機関が存在します。

一方、医療業界では「予期せぬ結果について説明するときは『ミス』ではなく『複雑な事態』が生じた」というのが共通認識です。医療業界のこうした現状は言葉遣いだけでなく、データにも明確に出ています。アメリカ国内で実施された医原性損傷（診断・処置のミスによって起こる損傷）に関する疫学的調査によれば受診1万件につき44〜66（約4〜6％）けんの深刻な損傷が起こっているはずですが、アメリカ国内の200以上の病院を対象に調査をすると、実際の損傷は全体の1％に過ぎなかった。しかも50％は受診1万件につき5件未満（0.5%）と報告していました。

業界によって差が凄いっすね。。。
でもこれは海外での調査で、日本とは全然関係ないんとちゃいますか？

チュー吉

モグラビト

エビデンスがある訳じゃないけど、日本でも同じじゃない？
例えば医療ミス0.1％の病院と医療ミス20％の病院があれば君は医療ミスの少ない病院を選択するでしょ？お医者さんもビジネスだからね。敢えて自分達が不利益になることはしたくはないんだよ。

ウチの会社の組織体系はどちらかと言うと、医療業界側やなぁ。。。
でも俺一人が「組織全体を変革しましょう！」って言ってもうまく変わらん思うけどな。

チュー吉

モグラビト

組織を変えることは僕も難しいと思うよ。でも、失敗をしてフィードバックする癖をつけておかないと何年経っても成長しない社員として扱われてしまうよ。

まぁわからなくもないんですけど。そんな差がつくもんなんですか？

チュー吉

モグラビト

よーし、1年目の社員だろうが10年目の社員だろうが、フィードバックできないために成果の変わらない仕事があるんだ。最後にそれを紹介しよう。